子どもの行く保育園・幼稚園のICT化を進めてほしいと感じている保護者も多いのではないでしょうか。現在ICT化を進めている保育園・幼稚園は全体の7割です。スムーズな連絡をしたいと考えている保護者はシステム化が進んでいないと感じています。実際はどうなのでしょうか。この記事では、導入率が増えている理由についてまとめました。
現在保育園へのICTシステムの導入が活発になっている
現在保育園システム・幼稚園システムのICT化が活発になっています。自治体よりICT化推進など事業へ向けた補助金がでるからです。今までコスト面で見送っていた保育施設も導入がしやすくなりました。厚生労働省が発表した令和4年度「保育関係予算概算要求の概要」では補助金予算が469億円です。前年度予算402億円から67億円も増加しています。
認可外保育施設や病児保育事業なども補助金対象です。保育に関する計画や記録・登降園管理など手書きしていた作業はアプリに入力することで保育士の業務負担を軽減します。保育士は人材不足で業務量が増加している背景があり、作業効率化のためICTシステム導入に積極的です。
保育ICTシステムが活躍する場面とは?
ICTシステムが活躍する場面は数多くあります。保護者にとって身近なものは出欠の連絡やお知らせ配信です。送迎バスの運行状況にも利用します。保護者とのやりとりだけではなく、子どもの健康管理にもぴったりです。現場の事務作業が減ることで子どもと向き合う時間を増やせます。人手不足が深刻な保育現場ではシステムの導入が必要不可欠です。
コミュニケーションツール
ICTシステムは園と保護者のコミュニケーションツールとして重要な役割を果たします。欠席したいとき、登園時間に園へ電話がつながらないことにストレスを感じることはありません。急な延長保育の申請もボタン一つでできます。行事や災害時の緊急連絡をアプリで一斉配信すれば紙の受け渡しも必要ありません。園を欠席してもリアルタイムで情報が届くため便利です。連絡帳もペーパーレス化で受け渡しのミスがなくなります。
情報管理
ひとつのシステムに入力するだけでデータ管理が簡単です。リアルタイムに検温・排便のデータを入力するのでミスが減ります。一つ入力をするだけで日誌や個人記録へ反映されるので、再度転記する必要がありません。午睡チェックでは子どもたちの睡眠中にセンサーやカメラが体の傾きや呼吸の有無などを検知して自動記録できます。数人の子どもを薄暗い中で管理をするのは大変です。目視とシステムを組み合わせることでより安全性を高めます。スマートフォンやタブレットを使えばすきま時間に入力ができるので、今までのように書類へ手書きをするためにまとまった時間を取る必要がなくなります。
一方で使いこなせていない保育園・幼稚園も存在する
保育園システム・幼稚園システムは必要だと感じている人が7割います。しかしICT化を進められない理由として使いこなせる自信がない人が多いです。使い方を学ぶ必要があります。ただし学ぶことに多くの時間はかけられません。初めての人でもわかりやすいように一つ一つマニュアルを作成すると便利です。使う人は園の職員だけではありません。コミュニケーションをとる保護者の協力が必要です。園と保護者と全体でシステム導入に携わることでシステムの効果が発揮します。
運用方法
新しいシステムを導入してもすぐに使いこなせる人はいません。共通の運用ルールを定める必要があります。人によって使い方がさまざまだとシステムを導入している意味がありません。人材不足のために使用方法を学習する時間の確保が難しいため、マニュアルの整備が必要です。保護者もシステムを利用します。システム導入段階から目的を理解してもらい、保護者にも使いやすいように運用方法を定めることがコツです。
システム機能
ICTシステムでできることはたくさんあります。登降園の管理、保護者への連絡、指導案日誌作成、シフト作成などコミュニケーションツールから施設の管理ツールまで幅広いです。すべてを導入するとコストもかかり、使用方法を学習する時間も作らなければなりません。パソコン操作に苦手意識がある人にとっては一つの機能を覚えることすら大変です。一人でも使いこなせない人がいると手間が増えます。業務効率化や園と保護者のやりとりなど目的をはっきりさせて必要に応じて機能を選ぶことがおすすめです。
まとめ
保育園・幼稚園側では自治体からの補助金もあり導入がしやすくなりました。現場も保育ICTシステムを取り入れて、実際に業務が軽減されたことを感じています。スマートフォンやタブレットがあれば入力が簡単です。入力したデータを利用して保護者への報告、園児の管理、事務作業が効率よく行えます。システム導入には目的をはっきりさせることが重要です。目的に応じて必要な機能を選んでマニュアルを作成します。普段スマートフォンやタブレットを使わない人にもわかりやすくしなければなりません。保護者側もシステム導入には8割が賛成を示しており、とくに欠席や延長保育などの連絡がスムーズになることを望んでいます。両方の課題を解決するシステムを導入するのが導入率をあげるポイントです。