保育園システム・幼稚園システムの導入によって園と保護者の間で情報共有がしやすくなります。情報共有によって、園内では保育士同士がよりお互いにフォローしやすくなりますし、これまで手作業で行っていた業務もシステムを導入することで時間をかけずにすみ、時間に余裕が生まれることで子どもを丁寧に見守ることにもつながるでしょう。
穏やかな親が不満を抱えてしまう原因
保護者が保育園や幼稚園に対して不満や不信を抱く原因の一つには「自分の子どもを先生はきちんと見てくれていない」というのがあります。
そしてどのような保護者も「ここの保育園、幼稚園なら子どもが安全に過ごすことができる」という信頼をおいて子どもを預けているのです。そのため、保育園や幼稚園で子どもがけがして帰ってくるなど、預けてきたときと違う状態で家に戻ってきたら「何があったのだろうか」と心配しますし、先生に詳細を聞いても「わかりません」という答えが返ってきたら親からしてみれば心配と不信感が生まれるのです。
子ども全員に目が行き届くようにしているとはいえ、さまざまな子どもを預かっているため、保育士が子どもの行動をすべて管理するのは困難でしょう。大人が見ていてもケンカは起きますし、大人がそばにいてもけがをしてしまうことがあります。
そこで、保護者にも了承してもらったうえで、保育園や幼稚園に子どもを預けてもらう必要があるのです。しかし預かっている子どもがけがをしたのに説明ができないというのは、「子どもを見ていなかった」といっているのと保護者からしてみれば同義にとらえられます。
対保護者には職場の人間関係が良好であることが大きく左右される
保育士や幼稚園の教諭は新人でもベテランでも関係なく、1人の「先生」「担任」として保護者に子どもの様子を伝えなければいけません。しかし新人の保育士にとって、仕事に慣れないうちから保護者を相手にするのはとても勇気がいることでもあるでしょう。新人の保育士が保育士や幼稚園教諭という職に定着するかどうかは、どれだけ仕事を覚えられるかということにかかってきます。
しかし保育園も幼稚園では、いまだに紙や電話連絡が主流で、大切な連絡事項が口頭やメモ書きで済ませられるということも少なくありません。保育園は複数の担任制であるとはいえ、それでも保育士1人がずっと1人の子どもを相手にできるわけではないのです。
大事な情報を誰か1人が知っていて共有されていないことも現場ではよくあることですが、職場の人間関係の良し悪しにかかってくる部分でもあります。「大事な情報を教えてくれない」「自分1人で抱え込もうとする」といったことが次第に職場の人間関係に影響してくるのです。どんなに理解のある保護者を相手にするにしても、職場の人間関係はよいのに越したことはありませんし、保育園や幼稚園という忙しい現場にこそ人間関係にも時間にも余裕を生み出すことが大切です。
そこで最近では、保育園システム・幼稚園システムという、園で預かっている子どもの情報をクラウドで共有するシステムを導入する保育園や幼稚園も増えています。
こまめに連絡を取ろうとするほど信頼も生まれる
子どもを預かる上では保護者も積極的に保育園や幼稚園に協力してもらわないといけません。とはいっても何も難しいことはなく、クラウドで子どもの情報を共有する保育園システム・幼稚園システムを保護者にも使ってもらうということです。出席やお迎えの時間、子どもの体調などをクラウド上のシステムできちんと管理し、保育園や幼稚園でも共有できるようにします。
つまりこれまでは紙や電話でやりとりをしていたのを、今後はシステムの中でやり取りする方法に変わるということです。保育園システム・幼稚園システムを導入するにあたり、使い方は難しそうという意見もあるかもしれませんが、これらのシステムは現場の声をよく反映しているため、使いやすいものとなっています。
そして情報の共有もしやすくなっているので、伝えそびれを減らすこともできるでしょう。これまで担任が子どもの昼寝の時間を使って手で書いていた連絡帳をクラウドにするので、時間をかけずに子どもの様子を伝えることができます。よく連絡帳にびっしりと子どもの様子を書いて保護者からの信頼が厚い担任がいますが、それは細かく子どもの様子を見ているというのに他ならないわけです。
担任にもさまざまな仕事があるので、詳細にはできないとは思いますが、毎日少しずつでも子どもの様子を書いているのといないのとでは保護者の信頼も違ってきます。園でどんなことをしていたかということだけでなく、体調で気になることを書いておくのとおかないのとだけでも担任に対する信頼は違うわけです。
担任が子どもの様子を見ていないというのは、保育園や幼稚園に対する保護者の信頼を大きく損ねることにもつながります。保育園システム・幼稚園システムを導入し、保護者と連絡をしやすくすることは園に対する信頼にもつながるといっても過言ではありません。