
保育現場でICT(タブレットやアプリ)を遊びに活用する園が増えています。子どもたちの創造性を伸ばし、デジタル時代に必要なスキルを身につけられる一方で、課題もあります。ここでは保育での遊びにICTを取り入れるメリット・デメリットと、実際の活用方法をわかりやすく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
保育の遊びにおけるICT活用とは
保育の遊びでのICT活用とは、タブレットやスマートフォン、専用アプリなどのデジタル技術を使って、子どもたちの遊びや学びをサポートすることです。これまでの積み木や粘土、お絵かきといったアナログ遊びに加えて、デジタル技術を使った新しい遊び方を取り入れる取り組みです。
具体的には、タブレットで写真を撮って自然観察をしたり、音楽アプリで楽器演奏を楽しんだり、お絵かきアプリで絵を描いたりといった活動があります。子どもたちがタブレットを使って自分たちの発見や気持ちを記録し、それをお友達や先生と共有するといった使い方も人気です。
従来のアナログ遊びとの大きな違いは、記録や共有が簡単にできることです。たとえば、園庭で見つけた虫をタブレットで写真に撮れば、その場にいない友達にもすぐに見せることができます。また、自分で作った作品をアプリで保存しておけば、後で見返したり、家族に見せたりすることもできます。
子どもに与える5つのメリット
保育の遊びにICTを取り入れることで、子どもたちにはたくさんのメリットがあります。
創造性の向上
タブレットのお絵かきアプリでは、普通のクレヨンでは表現できない色や効果を使えるので、子どもたちの想像力がどんどん広がります。
デジタルリテラシーの育成
今の子どもたちが大人になる頃には、デジタル技術がもっと身近になっています。幼児期から適切にタブレットやアプリに触れることで、将来必要になるデジタルスキルの土台を作れます。ただし、これは正しい使い方を覚えることが大切です。
個人に合わせた学び
個人に合わせた学びができることも大きなメリットです。アプリの中には、子どもの理解度に合わせて問題の難しさが変わるものがあります。早く理解できる子はどんどん先に進めるし、時間がかかる子は自分のペースで取り組めるでしょう。一人ひとりに合わせた学びができるのです。
協調性やコミュニケーション力の向上
1台のタブレットを数人で一緒に使うことで、順番を守る、お友達の意見を聞く、みんなで協力するといった社会性が身につきます。デジタル機器を使っていても、人との関わりは大切にされています。
さまざまな表現方法の習得
写真や動画、音声録音など、これまでにない表現手段を覚えられます。たとえば、言葉で説明するのが苦手な子も、写真を撮って見せることで自分の気持ちを伝えられるようになります。表現の幅が広がることで、子どもたちの自信にもつながりやすいです。
保育士や園運営に与える4つのメリット
ICT活用は、子どもたちだけでなく、保育士や園の運営にもメリットがあります。
保育記録の効率化
子どもたちの活動の様子をタブレットで写真や動画に撮れば、あとで保育日誌を書くときにとても役立ちます。「今日○○ちゃんがこんな表情をしていた」「△△くんがお友達と協力して遊んでいた」といった大切な瞬間を、写真付きで正確に記録可能です。手書きで長い文章を書く時間も短縮されます。
保護者の安心感が高まる
園での子どもたちの様子をリアルタイムで写真に撮り、保護者アプリを通じてすぐに共有できます。保護者の方も、子どもが園でどんな風に過ごしているかがよくわかるので安心します。とくに、言葉でうまく伝えられない年齢の子どもの様子を、写真や動画で見せることができるのは大きな価値があります。
子どもの特性を深く理解できる
タブレットで何を撮りたがるか、どんなアプリに興味を示すかを観察することで、その子の好きなことや得意なことがはっきりと見えてきます。それをもとに、個別の成長支援ができることが大きなメリットです。
保育をアップデートできる
ICTを活用することで、これまでになかった新しい遊びや学びの方法を取り入れられます。保育士も新しい技術を学ぶことで、専門職としてのスキルアップにつながります。
ICT活用の4つのデメリット
メリットがたくさんある一方で、ICT活用にはデメリットや注意すべき点もあります。
子どもの発達が遅れる可能性
もっとも心配されるのが、子どもの発達への影響です。タブレットやアプリが楽しすぎて、外遊びや手作業の時間が減ってしまう可能性があります。土や水に触れる体験、手先を使う細かい作業、体を大きく動かす遊びは、子どもの発達にとって欠かせません。ICTばかりに頼らず、バランスの取れた遊びを心がける必要があります。
機器の故障やトラブル時の対応
タブレットが突然動かなくなったり、アプリがフリーズしたりすることがあります。そんなときに保育士がすぐに対応できないと、子どもたちが困ってしまいます。また、インターネット接続が不安定だと、予定していた活動ができなくなることもあります。常にアナログの代替手段を用意しておくことが大切です。
保育士ごとの個人差への対応
若い保育士はタブレット操作が得意でも、ベテランの先生は苦手な場合があります。ICTが得意な先生に負担が集中したり、苦手な先生が自信を失ったりしないよう、園全体でサポート体制を作る必要があります。
プライバシーの懸念
子どもたちの写真や動画は大切な個人情報です。アプリの設定を間違えると、関係ない人に情報が漏れてしまう危険があります。また、子どもたちが勝手に写真を撮って、それが問題になることもあります。使用前のルール作りとセキュリティ設定の確認が欠かせません。
まとめ
保育での遊びにICTを取り入れることは、子どもの創造性やデジタルリテラシー向上に大きなメリットがあります。一方でスクリーンタイムの管理や保育士のスキル向上などの課題もあります。重要なのは、アナログ遊びとのバランスを保ちながら、子どもの発達段階に応じて適切に活用することです。デジタル時代に必要なスキルを育みつつ、豊かな遊び体験を提供するために、各園の方針に合った導入を慎重に検討していきましょう。ICTは便利な道具ですが、あくまでも子どもたちの成長をサポートするためのツールです。子どもたち一人ひとりの笑顔と健やかな成長を第一に考えて、上手に活用していくことが大切です。
こちらの会社がおすすめ
-
引用元:https://kids.nihonsoft.co.jp/
現場の声に寄り添い、操作性・実用性の高い機能がたくさん搭載!
保育業務サイクルを全面的にサポートし、保育士の負担を軽減!
保育の質を向上させることができるシステム。全都道府県で導入実績があり、自治体モデル仕様書適合!
キッズビュー
ウェルキッズ
コドモン
キッズリー
チャイルドケアシステム