保育園での業務は多岐にわたります。子どもを保育するだけでなく、保護者との連絡、出欠管理、事務作業など業務が多く大変です。最近は、出欠、遅刻はアプリで入力するという保育園も多いのではないでしょうか。保育業務の自動化は、保育士の負担を減らし集中できるため、保育の質もあがります。今回は、保育業務の自動化についてご紹介します。
そもそも保育業務の自動化とは
最近では、多くの自治体で保育施設が増えており、待機児童も減りつつあります。待機児童が減るのは嬉しいことですが、急速に増える保育施設に対応できる人員を確保するのは大変です。自動化の背景には保育士不足があります。保育士は給与が安いうえに大変というイメージはありませんか。
保育だけでなく、事務作業に追われていたら離職する保育士も増えかねません。業務を改善し、少ない保育士でも保育の質をさげない工夫が必要です。保育業務の自動化とは、インターネットを活用して保育園の業務を効率化できる支援システムのことです。子どもをみることを任せるものではありません。あくまで保育士のサポートの役割です。例えば保護者との出欠を電話のやりとりで行うと、業務を中断して電話にでなくてはいけません。これをシステム上で入力するだけになれば、いつでも確認することができます。連絡ミスも防ぐことができます。
保護者も指定の時間に忘れずに電話をしなくてはいけませんでしたが、欠席や遅刻が決まった時点で夜中でも入力しておけるため忘れることも減るでしょう。保育業務の自動化は保育士、保護者ともにメリットのあることなのです。支援システムを導入する際に、種類によっては補助金を利用して導入できる場合があります。ICT補助金、IT補助金という制度も調べてみましょう。PCやタブレットなどの設備費が補助金に含まれている場合もあり、インターネット環境を一から整えることもできます。
自動化できる保育業務の種類
どんなことが自動化できるのかご紹介します。
園児の出欠、検温
登降園時は、子どもが泣いていたり、荷物を引き渡したりとバタバタします。そこでAIによる出欠確認や検温を行うことができれば業務の効率化がはかれます。さらに確認ミスや記載ミスもなくすことができ、園児の安全にもつながります。システムとしては、ICカードをかざしたり、顔認証で検温が可能なものもあるようです。事前の出欠、遅刻の申請もシステム上で行うことができます。
お便りなどの配布
園だよりなどのお知らせは書くだけでなく、印刷して渡すという作業があります。保育園はお迎え時間がバラバラのため、個人的にお便りを渡さなくてはいけません。お休みすることもあり、確実に渡せないというミスもあり得ます。これをシステム上で配信できれば、印刷しお便りを折ったりする作業も減り、渡していないというミスを防ぐことができます。保護者としても、欠席してもリアルタイムでお便りをみることができ安心です。
保育料・おむつ代などの集計
保育料やおむつ代などかかる費用は、ひとりひとり異なります。集計作業を手動で行うとミスがでる可能性もありますが、AIを活用して集計を自動化すれば集計ミスもなくなります。また費やす時間も減ります。
保育士の労務管理
保育士の勤怠管理やシフト調整もAIの活用が可能です。保育士の有給休暇取得や残業時間などをシステムで一括管理でき業務が効率よくすすみます。
午睡も見守りシステム
午睡は、保育士が神経をとがらせている業務の一つではないでしょうか。保育士は、子どもの呼吸状態や体勢を数分ごとに確認し記録する必要があります。午睡時に園児や布団に小型センサーを取りつけておき、危険な体勢になった場合にアラームがなり知らせてくれます。
システムによっては、皮膚の温度、呼吸や心拍の変化をチェックできるものもあります。午睡見守り業務は、保育士にとって負担の大きい業務であり、AIを活用することで保育士の負担が軽減できます。なにより園児の安全を守ることができるのがメリットです。
自動化できる業務が増えるとできることが増える!
子どもをみている途中に他の保育士に頼んで電話に出る、連絡帳を記載するなど保育中にも子どもと関わる以外に仕事があります。保育後も、翌日の準備、お知らせの作成、勤怠管理など業務は多く、残業になることもあります。業務を自動化することで、保育士の身体的、身体的負担を減らすことができます。
保育士も人間です。疲れ切っていては、いい保育はできません。事務作業などに使う時間を減らせば保育の集中することができます。保育士が働きやすい環境をつくることで、保育の質を上げることができます。時間や体力に余裕があれば、プラスアルファを考えることもできるようになります。働きやすい環境は、人員の定着にもつながります。
まとめ
保育士不足のなか、保育の自動化が注目されています。保育士だけでなく、保護者にとってもメリットのあるシステムです。保育士が余裕をもって保育に専念できることは、なにより園児にとってメリットのあることです。働き方改革を行い、保育士を定着させ、保育の質をあげましょう。ぜひ、自身の園にあったシステムを検討してみてください。