ICTを導入することで、失敗する園もあるということを聞くと、ICTの導入はハードルが高いと思ってしまうでしょう。しかし、失敗には必ず原因があります。ここでは、導入に失敗してしまう原因や失敗しないための対策、サポートの大切さについて、詳しくご紹介します。ICT導入を検討している人は必見の情報です。
なぜ導入に失敗してしまうのか
ICTの失敗の原因は、4つの原因が考えられます。1つずつご紹介しましょう。
■導入目的が曖昧
「知り合いにすすめられたから」「補助金が出るから」といった、園・施設の課題とは関係ない理由で導入してしまうケースが少なくありません。ICT導入はあくまで課題解決のための手段であり、目的ではないのです。本来の目的が曖昧なまま導入だけをすすめてしまうと、不要なシステムを選択してしまいかねません。
■トップダウンによる導入
園長・施設長が導入をトップダウンで進めたり、一部の職員が水面下で進めたりすると、ほかの職員は目的や意義を感じられないまま、置いてきぼりになってしまいます。意義が感じられなければ、せっかく取り入れた新しい方法も取り組むモチベーションが湧かず、利用がなかなか定着していきません。
■保護者への周知が遅い
導入時は、ほとんどの保護者がシステムを初めて利用することになります。突然「明日からこのシステムを使います」と言われても、対応できない保護者も多いでしょう。その結果、システムへの問い合わせが常時来てしまう事態になることもあります。
■動作環境の悪さ
せっかく導入したシステムも、動作させるためのパソコンやタブレット、Wi-Fiなどの環境が整っていなければ、宝の持ち腐れに。一見環境が整っているように見えても、「実際に運用してみるとまったく足りなかった…」というケースも少なくありません。
失敗しないためにどのような対策をすればよいか
ICT導入は、失敗するケースが限られているからこそ、ポイントをしっかり押さえれば成功の確率を大きく上げられます。下記ポイントを参考に園に合った導入を検討しましょう。
■ICT導入の目的を具体化
ICT導入の目的は、大きく業務負担の軽減と保護者コミュニケーションの改善の2つに分けられます。どの項目があなたの園・施設にとって重要か具体化してみましょう。目的を具体化できたら、その目的に適したシステムを決めていきましょう。
■職員への定着を支援する
まず、ICT導入の担当チームを決めましょう。チームとしてしっかり立ち上げることで、園・施設全体のミッションであるという意識が高まります。そして導入の目的、流れ、システムの利用方法をまずチーム内で共有し、その後チームが中心となって全職員へ説明しましょう。
■保護者への周知
保護者への周知は導入を始める前に、期間に余裕をもって行いましょう。その際、導入によるメリットをしっかり説明することが大切です。また、質疑応答の時間もしっかり設けるようにしましょう。
■動作環境を整える
導入するシステムに応じて、最適なパソコンやタブレットの台数、インターネット回線、園内Wi-Fiなどの整備を行いましょう。パソコンやタブレットは、実際の運用シーンを想定して確実に足りる台数を用意します。また、パソコンが苦手な職員にはタブレットを用意するなど、それぞれの職員の適性も踏まえて決めていくとよいでしょう。
■導入効果の振り返り
ICT導入は、使い始めはハードルを感じても、慣れてくると「業務が格段に楽になった」「導入して本当によかった」と感じるケースがほとんどです。導入後、どんなポジティブな変化があったかをぜひ振り返ってみてください。利用に対して前向きになり、運用がよりスムーズに定着します。
サポートが充実したシステムを導入しよう
ICT導入には充実したサポート体制も大切になります。導入までのサポートはもちろんのこと、操作方法が分からない場合、分かりやすい丁寧なマニュアルがありすぐに確認できるシステムがおすすめです。また、マニュアルのみではなく、解決しない場合に専門の窓口に電話の問い合わせができたり、機能ごとにオンライン説明会があったりするシステム会社もあるので、導入後のサポートも充実していて信頼できる製品を選ぶようにしましょう。
以上、保育園、幼稚園でシステム導入に失敗する原因や成功のためのポイント、サポートについてご紹介しました。導入に失敗するには主に4つの原因がありました。これらの失敗を防ぐためには、職員の理解と環境整備、保護者への早い段階での周知などが大切です。ICTの導入は業務軽減と保護者との円滑なコミュニケーションの構築が目的になるので、導入するためにはその準備をしっかりとしておくことが成功するポイントとなります。また、サポート体制の整った製品を選ぶことが大切になってくるので、しっかりと導入前にサポートについて確認をしてから契約するようにしましょう。